刑事裁判の流れ②

 

刑事裁判の流れ①」に続いて、刑事裁判の流れを説明していきます。

 

 

5.検察官の証拠意見、弁護人の証拠説明

 

①検察官の証拠説明が終わると、弁護人側が裁判に提出する証拠について、裁判官から検察官に対し「検察官の証拠意見はいかがですか」などと質問がなされます。これを受けて、検察官が弁護人の提出する証拠について意見を述べます(弁護人の証拠について特に異議がなければ「全て同意します」などと答え、異議があれば「弁〇号証については不同意、その他は同意します」などと答えます)。

 

②その後、裁判官から弁護人に対して「弁護人で証拠説明をしてください」などと指示がなされますので、弁護人において弁護人側で提出する証拠の内容を説明します。この際も被告人は弁護人が話していることを座ったまま聞いていれば問題ありません。

  

 

6.証人尋問

 

①被告人のご家族等に証言をお願いしている場合などには、ご家族等に対する証人尋問が行われます。証人に対して弁護人や検察官、裁判官から質問がなされ、証人が質問に答えていきます(証人尋問の詳しい流れは省略します)。この間、被告人は座ったまま聞いていれば問題ありません。

 

 

7.被告人質問

 

①証人尋問(証人尋問を行わない場合には弁護人の証拠説明)が終わると、裁判官は被告人に対し「それでは被告人質問を行いますので、被告人は証言台の前に立ってください」と指示をしますので、被告人は再び中央の証言台の前に移動して証言台の前に立ちます。

 

②その後、最初に弁護人から被告人に対し質問をします。そして、被告人が質問に答える際は、弁護人の質問と回答が重ならないように気を付け、弁護人ではなく裁判官(正面)の方を見てゆっくりはっきりと答えます。

 

③弁護人からの質問が終わった後、検察官から質問されますので、被告人は弁護人からの質問の時と同様に質問に答えていきます。

 

④検察官の質問が終わると、裁判官が「弁護人から再度質問しますか」と尋ねます。もし弁護人が再度質問をする際は、被告人は再び弁護人の質問に答えることになります(弁護人が再度質問をしない場合もあります)。

 

⑤その後、裁判官が気になった点について裁判官より何点か質問されますので、被告人は裁判官の質問に答えることになります(裁判官からの質問は、通常、数点ですので、数分で終わることが多いです)。

 

⑥裁判官からの質問が終わると、裁判官が「被告人質問は終わりましたので、被告人は元の席に戻ってください」などと告げます。その後、被告人は再び弁護人席の前の長椅子に戻り着席します。

 

 

8.検察官の論告・弁護人の弁論

 

①裁判官が検察官に対し「検察官の論告をお願いします」などと指示をしますので、それを受けて検察官が今回の事件でどのような刑を下すべきか検察官の意見を述べます(検察官がこのような意見を述べることは「論告」と呼ばれています)。この間、被告人は座ったままで聞いていれば問題ありません。

 

②検察官の論告が終わると、裁判官が弁護人に対し「弁護人の弁論をお願いします」などと指示をします。それを受けて、弁護人として今回の事件についてどのような刑にすべきかなどの意見を述べます(弁護人がこのような意見を述べることは「弁論」と呼ばれています)。この間も被告人としては座ったままで聞いていれば問題ありません。

 

 

9.被告人の最終陳述

 

①弁護人の弁論が終わると、裁判官が被告人に対し「被告人は証言台の前に立ってください」と指示をしますので、被告人は再び中央の証言台の前に移動したうえ証言台の前に立ちます。

 

②そして、裁判官が被告人に対し「これで審理を終えることになりますが、最後に何か言いたいことはありますか」などと質問をしますので、被告人として言いたいこと(罪を認めている場合であれば反省の弁を述べることが多いです)を話します(被告人が言いたいことを最後に述べることは「被告人の最終陳述」と呼ばれています)。

 

③被告人の最終陳述が終わると、裁判官から判決の日時(1、2週間後になることが多いです)を告げられ、その日は終了になります(裁判官が「15分後に判決を言い渡しますので、一旦、休廷にします」などと述べ、その日のうちに判決が下されることもあります)。

 

 

10.判決言渡し

 

①指定された日時(場合によっては当日)に法廷に行き(法廷に入ってから裁判が開始するまでの流れは1と同じです)、裁判開始後に裁判官が被告人に対し「被告人は証言台の前に立ってください」と指示をしますので、被告人は弁護人席の前の長椅子から証言台の前に移動したうえ証言台の前に立ちます。

 

②その後、裁判官が判決を言い渡します。判決の言渡しは、主文(判決の結論のことで、有罪・無罪や刑の重さ、執行猶予をつけるかを述べる部分です)、判決の理由(どのような理由で判決の結論を決めたかを述べる部分です)の順番に裁判官が読み上げることで行われます。この間、被告人は証言台の前に立ちながら聞いているだけで問題ありません。

 

③判決の言い渡しが終わると、公判(刑事裁判)は一通り終了となります。

 

 

ここまで、刑事裁判の流れについてできる限り細かく説明させていただきましたが、具体的なイメージは掴めたでしょうか。

 

今回は、一般的な刑事裁判の流れについてご紹介しましたので、複雑な否認事件や裁判員裁判などのケースは今回説明した流れと異なる流れになります。

 

東京弁護士法人では、刑事事件のご依頼を多数いただいておりますので、刑事事件でお困りの方は、一度ご相談にお越しいただければと思います。

 

 

監修者プロフィール


代表弁護士 森川弘太郎

 

当弁護士法人は、開設以降、一貫して刑事事件をメインで扱っており、現在の私選弁護事件の取扱件数は西東京・多摩地域ではトップクラスであると自負しております。

 

また、当弁護士法人は、特に性犯罪事件の弁護や勾留阻止について多くの実績を有しており、また、刑事事件に特化した事務所でも重点的に取り扱うことの少ない自首のサポートに注力している点も特色です。

 

 

 
お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。 0120-000-797 電話受付時間 9:00-21:00(土日祝も受付) 立川法律事務所 JR立川駅北口徒歩3分

LINEでお問い合わせ
お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。 0120-000-797 電話受付時間 9:00-21:00(土日祝も受付) 立川法律事務所 JR立川駅北口徒歩3分

LINEでお問い合わせ