防犯カメラで撮られていた場合に後日逮捕される可能性は?
1. 弁護士の回答
後日逮捕される可能性はあります。
2. 刑事犯罪と防犯カメラ
防犯カメラは犯人の逮捕や犯罪の立証のために使われることがあります。
では、防犯カメラに犯人の姿が写っていたとして逮捕されてしまうことがあるのかみていきましょう。
2-1. 防犯カメラのみで逮捕されるのは稀
まず、犯行の全部あるいは一部が防犯カメラに写っていたとしても、それのみをもって後日逮捕されることはありえないといえます。
防犯カメラと一言でいっても精度が高いものから低いものまで様々です。
仮に、精度が低く、犯人の顔や犯行の態様など、逮捕に必要な情報を防犯カメラから読み取れない可能性も大いに考えられます。
また、個々の防犯カメラの設置場所や角度等によっても読み取れる情報の数や質は異なってきます。
2-2. 他の証拠も集められる
そこで、捜査機関(警察、検察)は通常、他の証拠もあわせて集めて検討します。
これは防犯カメラから得られる情報の数が多く、質が高い場合でも同様です。
たとえば、犯行現場付近に防犯カメラが設置されていれば、その防犯カメラの映像も集められ犯人かどうかが検討されます。
また、防犯カメラからでは犯人の顔や服装などの特徴が分からない場合は、被害者や目撃者の供述から不足する情報を補うことも考えられます。
3. 防犯カメラ映像には保存期間がある
防犯カメラ映像には保存期間があります。
防犯カメラにも映像を保存できる容量が決まっています。
新しい映像が記録されているたびに古い映像が上書きされる仕組みになっているのです。
防犯カメラの性能や設置する場所等によって異なるものの、一般的には「1か月~2か月」で上書きされます。
3-1. カメラの映像はすぐに収集される
このように、防犯カメラ映像の保存期間は意外にも短いため、警察が犯罪を認知してからまずやることが防犯カメラ映像の収集です。
警察が犯罪を認知したのが犯行から相当期間経過している場合は、防犯カメラ映像に映像が残っていない可能性もあります。
防犯カメラ映像が残っていない場合、警察は防犯カメラ以外の証拠を集めることになります。
4. 後日逮捕のタイミングは捜査機関次第
一方、犯行から警察の認知までの期間が短い場合は、防犯カメラの映像を収集されている可能性があります。
警察は防犯カメラの映像を収集したからといって、直ちに逮捕に踏み切るわけではありません。
4-1. 突然逮捕されることも
前述のとおり、防犯カメラの映像とともに他の証拠の収集にもあたりますから、犯行からだいぶ間が経って逮捕にされることも珍しくありません。
逮捕されるのか、その逮捕がいつになるのかは捜査機関にしかわかりません。
警察はある日突然やってきます。
自宅に来るかもしれませんし、勤め先に来るかもしれません。
警察が来れば、そのまま警察署に同行を求められ逮捕され、その後勾留される可能性もあります。
犯行から相当期間が経過しているからといって、防犯カメラの映像が収集されていない→逮捕されない、というわけではない点に注意が必要です。
5. 早めに弁護士に相談を
もし、この記事をお読みの方が後日逮捕されないか不安を抱えておられるのなら、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
後日逮捕を避ける方法としては、まず後日逮捕される前に捜査機関への出頭することが考えられます。
自ら出頭し犯行を自白することで、捜査機関に逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれがないと判断されれば逮捕されない可能性もあります。
もう一つの方法は、被害者との示談交渉です。
後日逮捕される前に被害者と示談できれば、被害者から捜査機関へ被害届が提出されず、捜査機関に犯罪を認知されるのを防ぐことができます。
もっとも、出頭することによって逆に逮捕される可能性もないとはいえません。
また、加害者が被害者と直接示談交渉することは現実的には難しいと言わざるをえません。
そこで、後日逮捕を避けるならはやめに弁護士に相談した方が安心といえます。
東京弁護士法人では、刑事事件のご依頼を多数いただいておりますので、刑事事件でお困りの方は、一度ご相談にお越しいただければと思います。
監修者プロフィール
代表弁護士 森川弘太郎
当弁護士法人は、開設以降、一貫して刑事事件をメインで扱っており、現在の私選弁護事件の取扱件数は西東京・多摩地域ではトップクラスであると自負しております。
また、当弁護士法人は、特に性犯罪事件の弁護や勾留阻止について多くの実績を有しており、また、刑事事件に特化した事務所でも重点的に取り扱うことの少ない自首のサポートに注力している点も特色です。 |