刑事事件で私選弁護人をつけるメリット
ご家族や従業員などが逮捕されてしまった場合、突然のことにどうしたらよいか分からず身動きがとれない方も少なくありません。
このページでは、ご自身で弁護士を探し私選弁護人をつけて刑事弁護をしてもらうことで、ご本人を含め周囲の方々にどのようなメリットがあるかを説明していきたいと思います。
① 逮捕直後に逮捕された方と面会できる
まず、逮捕された方は、逮捕されてから最長72時間、警察署に留置されることになります。
この期間、逮捕された方との面会ができるのは弁護士のみで、ご家族や職場の方などは面会をすることができません。
なお、弁護士が逮捕された方と面会を行うことになった場合、一般の方の面会とは異なり、警察官が立ち会うことはありません。
また、基本的に、面会時間も無制限となります。
逮捕直後、逮捕された方の多くは、この先、自分の身に何が起きるか分からず非常に不安定な精神状態に陥ります。
さらに、逮捕された方は、そのような厳しい精神状態の中で、警察から集中して取調べを受けることになるのです。
この取調べの中で、真実のみを述べ、正しい供述調書(取調べの結果を書面に残したもの)が作成されることが望ましいのは言うまでもありません。
しかし、不安定な精神状態に置かれたままで取調べを受けることから、事実とは異なる供述調書が作成されてしまったり、自分に不利になるような供述調書が作成されてしまうことも少なくありません。
そして、このような供述調書が一度作成されてしまうと、後に裁判となった場合に作成した供述調書が証拠として提出されてしまうことから、この供述調書が原因となり裁判で不利な結果を招いてしまう可能性もあり得ます。
一方、逮捕直後に私選弁護人に弁護を依頼をしたとすればどうでしょうか。
先ほど述べたとおり、弁護士は逮捕された方と逮捕直後に面会をすることができますので、逮捕された方にすぐ会いに行き、今後の手続の流れを丁寧に説明することで、不安を取り除くことができます。
そのうえで、逮捕された方に対し、取調べを受ける際に気を付けるべきことも伝えますので、取調べでミスをしたり取り返しのつかない事態になるのを防ぐことが可能です。
② 勾留を阻止する活動ができる
最長72時間の身柄拘束である逮捕に引き続いて、最長20日間の身柄拘束である勾留がなされることがあります。
しかし、20日間も身柄拘束されてしまうことになれば、学生であれば学校を長期欠席せざるを得ず、社会人であれば長期欠勤となってしまうことから、学校や会社に復帰することが難しくなってしまう状況にもなりかねません。
加えて、長期の身柄拘束になることで親戚や友人などに逮捕された事実を知られてしまう可能性も高くなります。
そのような事態を防ぐためには、勾留を阻止して身柄拘束を72時間にとどめることが重要です。
勾留は、検察官が裁判所に勾留を請求し、それを受けて裁判所が勾留が妥当と認めることでなされるものです。
そこで、私選弁護人としては、法律で定められた勾留の要件を満たさないことを検察官に主張し、検察官に対し勾留の請求をしないよう積極的に促していきます。
そして、たとえ勾留請求がなされてしまった場合でも、私選弁護人として、裁判所に対し勾留を認めるべきでないことを主張していくことができます。
③ 被害者の方と迅速に示談交渉ができる
示談とは、加害者が被害者に対しお金を支払う代わりに、被害者が加害者を許したり、被害届を取り下げたりすることを指します。
そして、被害者との示談が成立した場合、被害者から一定の許しがあったものと評価されることになります。
その結果として、不起訴になり釈放になる可能性も高まりますし、たとえ裁判になった場合でも実刑にならずに執行猶予の判決を貰える可能性も高くなります。
このように、逮捕された方にとって被害者との示談が成立するかどうかは非常に大事なものとなりますが、被害者の方の中には、示談金を受け取ることで自分の被害がなかったものにされるように感じ、示談すること自体を嫌がる方もいらっしゃるのが現状です。
または、示談交渉には応じるものの、非常に高額な示談金を提示される方も中にはいらっしゃいます。
そのような状況において、私選弁護人をつければ、弁護士は日々交渉業務を行っておりますので、被害者の方の感情に配慮しつつ、適切な金額で示談が進められるよう迅速に動くことができます。
④ 保釈請求によって身柄を解放できる
仮に逮捕・勾留の後、検察官が起訴することを決め、刑事裁判になってしまった場合、起訴後勾留という形で刑事裁判が終わるまで身柄拘束が継続することがあります。
その場合、刑事裁判が終わるまでは、通常1、2ヶ月程度はかかりますので、非常に長い間、身柄を拘束され続ける状況になります。
しかし、起訴後勾留には「保釈」と呼ばれる身柄を解放する手続があり、裁判所に保釈を認めてもらえれば、学校や会社に行くなど普段通りに生活をしながら刑事裁判を行うことができるのです。
仮に私選弁護人に依頼をした場合、法律に定められた保釈の要件を満たすことを主張したうえで裁判所に対し適切に保釈請求を行いますので、1、2ヶ月といった長期の身柄拘束を免れ、普段通りの生活をしながら裁判を行うことができる可能性が高くなります。
⑤ 不起訴・無罪・執行猶予を求める弁護活動ができる
仮に無実の罪で逮捕されてしまった場合、弁護士としては、ご依頼者様の言い分をよく聞き、無実を裏付ける証拠を探すことに全力を注ぎます。
さらには、無実であることを裏付ける主張や証拠を検察官に示すことで、検察官に対し、不起訴としたうえで身柄を釈放するよう要求します。
なお、仮に裁判になってしまった場合であっても、刑事裁判にて、無実であることを裏付ける主張や証拠を提出し、裁判所に無罪判決を下すよう要望していきます。
他方、実際に罪を犯し逮捕されてしまった場合には、被害者の方との間で示談を成立させ、また、逮捕された方が十分に反省していることを検察官に伝えるなどして、検察官に対し不起訴処分を下すよう促していきます。
また、仮に裁判になってしまった場合でも、刑事裁判にて、被告人の反省や被害者との示談結果などを裁判官に把握してもらい、実刑判決ではなく執行猶予の判決を下すよう要求していきます。
ここまで、私選弁護人に依頼するメリット・利点について説明してきましたが、逮捕されてからは限られた時間で迅速に動かなくてはなりません。
ご家族や職場の方が逮捕された場合には、できればその日のうちに当事務所までご連絡をいただき、今後に関するアドバイスを仰ぐことをお勧めします。
東京弁護士法人では、ご家族や職場の方が逮捕されてしまったような場合には、できる限り即日での相談を無料でお受けしております。
まずは、お早めに当事務所までご相談ください。
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